


ドウベイト配合錠製品添付文書より
【ドウベイト配合錠の効能又は効果に関連する注意】
- 1 抗HIV薬による治療経験のないHIV感染症患者に使用すること。臨床試験は、主要な耐性変異を有しない患者を対象に実施された。[17.1.1、17.1.2 参照]
- 2 本剤による治療にあたっては、可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
- 3 本剤はドルテグラビル及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジンの用量調節が必要な腎機能障害(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)を有する患者には、個別のドルテグラビル製剤(テビケイ錠)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いること。[9.2.1、16.6.1 参照]
試験概要
【目的】
HIV感染症治療(ART)による治療経験のない成人HIV-1感染症患者において、ドルテグラビル(DTG)+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン(TDF・FTC)配合剤の3剤併用療法を対照に、DTG+ラミブジン(3TC)の2剤併用療法の非劣性を検証する。
【対象】
ARTによる治療経験のない※1成人HIV-1感染症患者1,433例(スクリーニング時の血漿中HIV-1 RNA量が1,000~500,000copies/mL)
【方法】
多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照、並行群間比較検証試験(非劣性試験
対象患者を、DTG(50mg)+3TC(300mg)を1日1回投与するDTG+3TC群とDTG(50mg)+TDF・FTC(300mg・200mg)を1日1回投与するDTG+TDF・FTC群の2群に無作為に割り付けた。投与48週後ならびに投与96週後の有効性について、DTG+TDF・FTC群に対するDTG+3TC群の非劣性を検証(投与48週後)ならびに検討(投与96週後)するとともに、投与24週後/48週後/96週後の有効性、投与24週後/48週後/96週後の安全性及び忍容性についても評価した。
【評価項目】
有効性:
主要評価項目(検証的な解析):
投与48週後において血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成 した患者の割合※2
(検証的な解析)抗ウイルス学的治療アウトカム
副次評価項目:投与96週後において血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合※2
投与48週後及び96週後におけるベースライン時の血漿中HIV-1 RNA量/CD4陽性リンパ球数別の抗ウイルス効果※2など
ウイルス学的エンドポイント:
投与48週後及び96週後における耐性変異の発現
安全性:
有害事象発現率、腎機能(腎血清マーカー:クレアチニン、クレアチニンによるeGFR、シスタチンCによるeGFR、尿マーカー:蛋白/クレアチニン比、 β2-ミクログロブリン/クレアチニン比、レチノール結合蛋白/クレアチニン比) 、骨(骨代謝マーカー:血清骨型アルカリフォスファターゼ、血清オステオカルシン、血清Ⅰ型プロコラーゲンN-末端プロペプチド、血清Ⅰ型コラーゲンC-テロペプチド)への影響など
【解析計画】
本試験は、事前に規定された併合解析(GEMINI-1試験とGEMINI-2試験)を行った。投与48週後/96週後の有効性については、非劣性マージンをー10%とし、DTG+TDF・FTC群に対するDTG+3TC群の非劣性を検証(投与48週後)及び検討(投与96週後)した。両群の奏効率(ウイルス学的治療成功患者※3の割合)は、FDA Snapshotアルゴリズム解析によって算出し、両群間の奏効率の差はCochran-Mantel-Haenszel weightを用いた層別解析に基づいて調整後、算出した。主要評価項目及び副次評価項目の評価についてはITT-E集団※4を用いてFDA Snapshotアルゴリズム解析によって評価した。また、主要評価項目及び副次評価項目について、事前に規定されているサブグループ(ベースライン時の血漿中HIV-1 RNA量、CD4陽性リンパ球数)別の解析を行った。なお、サブグループ解析についてはFDA Snapshotアルゴリズム解析及びTRDF※5解析を行うことと事前に規定した。さらに、2回連続してウイルス学的無効〔投与12週目までの血漿中HIV-1 RNA量減少が<1 log10 copies/mL(<200copies/mLの場合を除く)、または投与24週目以降に血漿中HIV-1 RNA量≧200copies/mLが検出された場合〕またはウイルス学的リバウンド(血漿中HIV-1 RNA量<200copies/mLに至った後に血漿中HIV-1 RNA量≧200copies/mLに再上昇した場合)が認められた場合をCVW※6とプロトコールで規定し、投与48週後及び96週後にCVWが認められた患者における耐性変異の発現を検討した。腎機能(腎血清マーカー、尿マーカー)、骨(骨代謝マーカー)への影響については、投与48週後はベースライン時からの変化量の調整平均値をANCOVAで算出し、欠測値はMarkov chain Monte Carlo approachを用いたMultivariate Normal modelによって補完した。また、投与96週後は、試験、治療、来院、ベースライン時の血漿中HIV-1 RNA量、ベースライン時のCD4陽性リンパ球数、年齢、性別、人種、ベースライン時のバイオマーカー値、治療と来院の相互関係及びベースライン時のバイオマーカー値と来院の相互関係、さらに糖尿病及び高血圧の既往(骨への影響)、BMI、喫煙状況、ビタミンD製剤使用有無(骨への影響)を因子として調整したMMRM※7を用いて解析した。
【試験デザイン】

※1 過去にいずれのART(10日超)も受けていない患者
※2 ITT-E集団におけるFDA Snapshotアルゴリズム解析を実施(層別解析にはCochran-Mantel-Haenszel weightを用いた)
※3 ウイルス学的治療成功の定義:血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者
※4 ITT-E集団:無作為化され、1回以上治験薬を投与された集団
※5 TRDF:Treatment-Related Discontinuation equals Failure
※6 CVW:Confirmed Virologic Withdrawal
※7 MMRM:Mixed Model Repeated Measures
※8 B型肝炎ウイルス
[承認時評価資料:海外臨床試験〔GEMINI-1(204861)及びGEMINI-2(205543)試験の併合解析〕]
[Cahn P, et al.: Lancet, 393(10167), 143-155(2019)]
[Cahn P, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr, 2019;doi: 10.1097/QAI.0000000000002275.[Epub ahead of print]]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、アドバイザリーボード、コンサルタント、研究者としてヴィーブヘルスケア(株)を支援した者及びヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。 また、著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、教育関係イベント等の演者、議長、アドバイザリーボードメンバーとしての謝礼、講演料、コンサルタント料、研究費等を支払った者が含まれる。]
患者背景海外データ

※ 各群2%の患者がベースライン時の血漿中HIV-1 RNA量≧500,000copies/mLであった。
[Cahn P, et al.: Lancet, 393(10167), 143-155(2019)より改変]
抗ウイルス効果(主要及び副次評価項目)海外データ
投与48週において血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合は、DTG+3TC群で91%(655/716例)、DTG+TDF・FTC群で93%(669/717例)であり、DTG+TDF・FTC群に対するDTG+3TC群の非劣性が検証されました[調整後の差※:-1.7%(95%CI:-4.4, 1.1):ITT-E集団]。また、投与96週において血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合は、DTG+3TC群で86%(616/716例)、DTG+TDF・FTC群で90%(642/717例)でした[調整後の差※:−3.4%(95%CI:−6.7,0.0):ITT-E集団]。
※ Cochran-Mantel-Haenszel weightを用いた層別解析に基づく調整済みの差(非劣性マージン:-10%)

血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合
(投与48週後及び96週後:ITT-E集団)(主要及び副次評価項目)

FDA Snapshotアルゴリズム解析
[Cahn P, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr, 2019;doi: 10.1097/QAI.0000000000002275.[Epub ahead of print]]
ベースライン時における血漿中HIV-1 RNA量別抗ウイルス効果
(投与96週)(副次評価項目:サブグループ解析、FDA Snapshotアルゴリズム解析)海外データ
ベースライン時の血漿中HIV-1 RNA量≦100,000copies/mL及び>100,000copies/mLの患者における投与96週後の血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合は、DTG+3TC群でそれぞれ87%(499/576例)、84%(117/140例)、DTG+TDF・FTC群でそれぞれ90%(510/564例)、86%(132/153例)でした。

血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合
(投与96週後:ITT-E集団)(副次評価項目、サブグループ解析)

FDA Snapshotアルゴリズム解析
[Cahn P, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr, 2019;doi: 10.1097/QAI.0000000000002275.[Epub ahead of print]]
耐性変異の発現(投与96週)(副次評価項目)海外データ
投与96週において、DTG+3TC群ではINSTI及びNRTIに対する耐性変異の発現は認められませんでした。

※ CVW(Confirmed Virologic Withdrawal)の定義:2回連続してHIV-1 RNA量がウイルス学的無効またはウイルス学的リバウンドに該当した場合。
・ウイルス学的無効:
投与12週目までの血漿中HIV-1 RNA量減少が<1 log10 copies/mL(<200copies/mLの場合を除く)、 または投与24週目以降に血漿中HIV-1 RNA量≧200copies/mLが検出された場合
・ウイルス学的リバウンド:
血漿中HIV-1 RNA量<200copies/mLに至った後に血漿中HIV-1 RNA量≧200copies/mLに再上昇した場合;インテグラーゼ阻害薬(INSTI)
† 投与12週時にCVWが確認された1例は、投与48週後においてはCVW症例として報告されていない(48週時の解析後に検査報告に誤りがあったことが確認されたため)。
[Cahn P, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr, 2019;doi: 10.1097/QAI.0000000000002275.[Epub ahead of print]より作表]
安全性:副作用発現率(投与96週)海外データ
本試験における投与96週の副作用発現率は、DTG+3TC群で20%(140/716例)、DTG+TDF・FTC群で25%(179/717例)であり、主な副作用(いずれかの群における発現率≧1%)は両群ともに頭痛8例(1%)などでした。また、重篤な副作用は、DTG+3TC群で5例(自殺念慮2例、精神障害、物質誘発性精神障害、肝毒性各1例)、DTG+TDF・FTC群4例(自殺念慮、自殺企図、胆石症、横紋筋融解症各1例)に認められました。

[Cahn P, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr, 2019;doi: 10.1097/QAI.0000000000002275.[Epub ahead of print]]
安全性:有害事象発現率(投与96週)海外データ
本試験における投与96週後の有害事象発現率は、DTG+3TC群で83%(591/716例)、DTG+TDF・FTC群で85%(609/717例)でした。主な有害事象(いずれかの群における発現率≧10%)は下表のとおりでした。死亡は、DTG+3TC群で3例(急性心筋梗塞、バーキットリンパ腫、冠動脈疾患)で認められましたが、治験薬との因果関係は否定されました。投与中止に至った有害事象は、DTG+3TC群で3%(24/716例)、DTG+TDF・FTC群で3%(23/717例)であり、主な有害事象はDTG+3TC群では精神神経疾患10例、腎機能関連事象2例、DTG+TDF・FTC群では精神神経疾患5例、腎機能関連事象7例、骨粗鬆症2例でした。投与中止に至った有害事象のうち特に注目すべきものは、精神神経疾患[DTG+3TC群で10例(1%)、DTG+TDF・FTC群で5例(1%)]、腎機能関連事象[各群2例(<1%)、7例(1%)]、骨粗鬆症[各群0例、2例(<1%)]でした。重篤な有害事象は、DTG+3TC群で9%(64/716例)、DTG+TDF・FTC群9%(67/717例)に認められました。

[Cahn P, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr 83(3), 310-318(2020)]
ウイルス学的抑制が得られている成人HIV感染症患者を対象とした非盲検比較検証試験(非劣性試験)
試験概要
【目的】
ウイルス学的抑制が得られている成人HIV-1感染症患者において、テノホビル アラフェナミド(TAF)をベースとした3~4剤併用レジメン※1からドルテグラビル・ラミブジン(DTG・3TC)へ切り替えた場合の有効性を検証するとともに、安全性、忍容性を評価する。
【対象】
ウイルス学的抑制が得られている成人HIV-1感染症患者741例[ウイルス学的治療失敗(血漿中HIV-1 RNA量≧400copies/mL)がない、スクリーニング前6ヵ月超の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL未満、TAFをベースとした3〜4剤併用レジメンを使用]
【方法】
多施設共同、無作為化、非盲検、実薬対照、並行群間比較検証試験(非劣性試験)
対象患者を、ドウベイト(DTG・3TC:50mg・300mg)を1日1回投与するDTG・3TC Switch群と現在のTAFをベースとしたレジメンを継続投与したTAF継続群の2群に無作為に割り付けた。投与48週時の有効性について、TAF継続群に対するDTG・3TC Switch群の非劣性を検証(非劣性マージン4%)するとともに、投与48週後の安全性及び忍容性についても評価した。
【評価項目】
有効性:
主要評価項目(検証的な解析):
投与48週後における血漿中HIV-1 RNA量≧50copies/mLであった患者の割合※2、ウイルス学的治療アウトカム
副次評価項目:
投与48週後における血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを維持した患者の割合※2、ベースライン時からのCD4陽性リンパ球数の変化量
ウイルス学的エンドポイント:耐性変異の発現など
探索的評価項目:
投与48週後におけるベースライン時のCD4陽性リンパ球数/使用薬剤別抗ウイルス効果※2 など
ヘルスアウトカムエンドポイント:
QOLへの影響[EQ-5D-5L Utilityスコア (ベースライン時からの変化量)] など
安全性:
有害事象発現率、腎機能(腎血清マーカー:クレアチニン、クレアチニンによるeGFR、シスタチンCによるeGFR、尿マーカー:蛋白/クレアチニン比、レチノール結合蛋白/クレアチニン比、β2-ミクログロブリン/クレアチニン比)、骨(骨代謝マーカー:血清骨型アルカリフォスファターゼ、血清オステオカルシン、血清Ⅰ型プロコラーゲンN-末端プロペプチド、血清Ⅰ型コラーゲンC-テロペプチド、ビタミンD)、脂質(脂質代謝マーカー:総コレステロール、HDL・LDLコレステロール、トリグリセリド、総コレステロール/HDLコレステロール比)への影響など
【解析計画】
投与48週時の有効性(主要及び副次評価項目)については、非劣性マージンを4%(主要評価)及び−8%(副次評価)とし、TAF継続群に対するDTG・3TC Switch群の非劣性を検証(主要評価)及び検討(副次評価)した。なお、両群の奏効率※3は、FDA Snapshotアルゴリズム解析によって算出し、両群間の奏効率の差は、Cochran-Mantel-Haenszel weightを用いた層別解析に基づいて調整後、算出した。主要及び副次評価項目の評価についてはITT-E集団※4を用いてSnapshotアルゴリズム解析によって評価したが、主要評価項目の感度分析にはper-protocol集団※5を用いた。また、主要評価項目について、事前に規定されているサブグループ(ベースライン時のCD4陽性リンパ球数、使用薬剤)別の解析を行った。さらに、2回連続して血漿中HIV-1 RNA量≧50copies/mL(2回目は血漿中HIV-1 RNA量≧200copies/mL)が検出された場合をCVW※6とプロトコールで規定し、投与48週時にCVWが認められた患者における耐性変異の発現を検討した。QOLへの影響については、5項目の質問票(EQ-5D-5L※7)6)のUtilityスコアのベースライン時からの変化量の調整平均値を治療、来院、ベースライン時の使用薬剤、ベースライン時のEQ-5D utilityスコア、治療と来院の相互関係、ベースライン時のEQ-5D utilityスコアと来院の相互関係によって調整したrepeated measures modelを用いて算出し、欠測値はLOCF※8を用いて補完した。腎機能(腎血清マーカー、尿マーカー)については、治療、来院、ベースライン時の使用薬剤、CD4陽性リンパ球数、年齢、性別、人種、BMI、糖尿病及び高血圧の既往、ベースライン時のバイオマーカー値、治療と来院の相互関係及びベースライン時のバイオマーカー値と来院の相互関係を因子として調整したMMRM※9を用いて解析した。骨(骨代謝マーカー)への影響については、治療、来院、ベースライン時の使用薬剤、CD4陽性リンパ球数、年齢、性別、人種、BMI、喫煙状況、ビタミンD製剤使用有無、ベースライン時のバイオマーカー値、治療と来院の相互関係及びベースライン時のバイオマーカー値と来院の相互関係を因子として調整したrepeated measures modelを用いて解析した。また、脂質(脂質代謝マーカー)への影響については、治療、来院、ベースライン時の使用薬剤、 CD4陽性リンパ球数、対数変換したベースライン時の空腹時脂質値、治療と来院の相互関係及びベースライン時の空腹時脂質値と来院の相互関係を因子として調整したrepeated measures modelを用いて算出し、欠測値はLOCFを用いて補完した。
※1 スクリーニングの3ヵ月以上前にテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)からTAFに切り替えた場合は 可とした
※2 ITT-E集団におけるFDA Snapshotアルゴリズム解析を実施(層別解析にはCochran-Mantel-Haenszel weightを用いた)
※3 血漿中HIV-1 RNA量≧50copies/mLであった患者の割合
※4 ITT-E集団:無作為化され、1回以上治験薬を投与された集団
※5 per-protocol集団:ITT-E集団からプロトコール逸脱例を除外した集団
※6 CVW:Confirmed Virologic Withdrawal
※7 EQ-5D-5L:EuroQol 5-Dimensions 5-Levels Questionnaire
※8 LOCF:Last Observation Carried Forward
※9 MMRM:Mixed Model Repeated Measures
1)Herdman M, et al.: Qual Life Res 20(10), 1727-1736(2011)
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。
著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、補助金、ノンフィナンシャルサポート等を支払った者が含まれる。
また、著者にはヴィーブヘルスケア(株)の社員及びグラクソ・スミスクラインの社員や株を有する者が含まれる。]
【試験デザイン】

※1 スクリーニングの3ヵ月以上前にテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)からTAFに切り替えた場合は可とした
※2 B型肝炎ウイルス
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。
著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、補助金、ノンフィナンシャルサポート等を支払った者が含まれる。
また、著者にはヴィーブヘルスケア(株)の社員及びグラクソ・スミスクラインの社員や株を有する者が含まれる。]
患者背景①海外データ

[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
患者背景②海外データ

ART:抗レトロウイルス療法、bDRV:ブーストされたダルナビル、DTG:ドルテグラビル、EVG/c:エルビテグラビル/コビシスタット、FTC:エムトリシタビン、INSTI:インテグラーゼ阻害薬、
NNRTI:非核酸系逆転写酵素阻害薬、PI:プロテアーゼ阻害薬、RPV:リルピビリン、TAF:テノホビル アラフェナミド、3TC:ラミブジン
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
抗ウイルス効果(主要評価項目)海外データ
投与48週時における血漿中HIV-1 RNA量≧50copies/mLであった患者の割合は、DTG・3TC Switch群で0.3%(1/369例)、TAF継続群で0.5%(2/372例)であり、TAF継続群に対するDTG・3TC Switch群の非劣性が検証されました[調整後の差※:-0.3%(95%CI:-1.2, 0.7):ITT-E集団]。
血漿中HIV-1 RNA量≧50copies/mLであった患者の割合
(投与48週時、ITT-E集団)(主要評価項目:検証された結果)

[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
抗ウイルス効果(副次評価項目)海外データ
投与48週時における血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを維持した患者の割合は、DTG・3TC Switch群で93.2%(344/369例)、TAF継続群で93.0%(346/372例)でした[調整後の差※:0.2%(95%CI:-3.4, 3.9):ITT-E集団]。
血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを維持した患者の割合
(投与48週時、ITT-E集団)(副次評価項目)

[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
耐性変異の発現(副次評価項目)海外データ
投与48週時において、DTG・3TC Switch群ではINSTI、NRTI、NNRTI及びPIに対する耐性変異の発現は認められませんでした。


※CVW(Confirmed Virologic Withdrawal)の定義:2回連続して血漿中HIV-1 RNA量≧50copies/mL(2回目は血漿中HIV-1 RNA量≧200copies/mL)が検出された場合。
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
安全性海外データ
本試験における投与48週後の有害事象発現率は、DTG・3TC Switch群で80%(295/369例)、TAF継続群で79%(292/371例)でした。主な有害事象(いずれかの群における発現率≧5%)は下表のとおりでした。副作用発現率は、DTG・3TC Switch群で12%(45/369例)、TAF継続群で1%(5/371例)でした。死亡は、DTG・3TC Switch群で他殺1例(薬剤と関連なし)に認められました。また、投与中止に至った有害事象が13例[腹部不快感、胃食道逆流性疾患、口の感覚鈍麻、悪心、口の錯感覚、薬物過敏症、銃創(薬剤と関連なし)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(薬剤と関連なし)、肺腺癌(薬剤と関連なし)、注意力障害、感覚鈍麻、錯感覚、易刺激性、自殺念慮(薬剤と関連なし)、生殖器感覚鈍麻、生殖器錯感覚、掻痒など]、TAF継続群で2例[うつ、自殺企図(薬剤と関連なし)など]に認められました。重篤な有害事象は、DTG・3TC Switch群で21例(肺炎、自殺念慮各2件、胆嚢炎、羊膜感染、羊水腔感染、不安、心房細動、心房粗動、胆嚢ジスキネジア、脳血腫、慢性閉塞性肺疾患、深部静脈血栓症、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、顔面不全麻痺、大腿骨頸部骨折、銃創、低カリウム血症、鼠径ヘルニア、迷路炎、肺腺癌、陰茎扁平上皮癌、百日咳、心室頻拍各1件)、TAF継続群で16例(肺炎、胆嚢炎、急性心筋梗塞、膵臓癌、肛門周囲膿瘍、胆石症、うつ、脳症、大腸菌による敗血症、細菌性髄膜炎、肝転移、骨炎、卵巣嚢胞、卵巣血腫、多量投与、膵炎、前立腺炎、肺塞栓症、腎盂腎炎、赤痢、自殺企図、血管炎各1件)に認められました。なお、重篤な副作用は認められませんでした。

※1 すべての副作用は、グレード2以下であった。
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
腎機能への影響(投与48週)(安全性評価項目)海外データ
投与48週時におけるDTG・3TC Switch群及びTAF継続群の腎機能関連マーカーのベースライン時からの変化(調整平均値※1) を下記に示します。

※1 治療、来院、ベースライン時の使用薬剤、CD4陽性リンパ球数、年齢、性別、人種、BMI、糖尿病及び高血圧の既往、ベースライン時のバイオマーカー値、治療と来院の相互関係及びベースライン時のバイオマーカー値と来院の相互関係によって調整したMMRM(Mixed Model Repeated Measures)を用いて算出した。
※2 CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式による推算糸球体濾過量(eGFR)
※3 投与48週時/ベースライン時の幾何平均値の比で示す。
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
骨への影響(投与48週)(安全性評価項目)海外データ
投与48週時におけるDTG・3TC Switch群及びTAF継続群の骨代謝マーカーのベースライン時からの変化量(調整平均値※)を下記に示します。

※ 治療、来院、ベースライン時の使用薬剤、CD4陽性リンパ球数、年齢、性別、人種、BMI、喫煙状況、ビタミンD製剤使用有無、ベースライン時のバイオマーカー値、治療と来院の相互関係及びベース ライン時のバイオマーカー値と来院の相互関係によって調整したrepeated measures modelを用いて算出した。
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
脂質への影響(投与48週)(安全性評価項目)海外データ
投与48週時におけるDTG・3TC Switch群及びTAF継続群の血清または血漿の空腹時脂質のベースライン時からの変化(調整平均値※1)を下記に示します。

※1 治療、来院、ベースライン時の使用薬剤、CD4陽性リンパ球数、対数変換したベースライン時の空腹時脂質値、治療と来院の相互関係及びベースライン時の空腹時脂質値と来院の相互関係によって調整したrepeated measures modelを用いて算出した
※2 投与48週時/ベースライン時の調整比で示す。
※3 ベースライン時及び48週時の空腹時脂質値のデータがある患者で、ベースライン時に脂質異常症治療薬を投与している患者は除外した。脂質異常症治療薬の投与を開始した後は空腹時脂質の評価を打ち切り、欠測値はLOCFを用いて補完した。
[添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
・初回治療として選択すべき抗HIV薬の組み合わせ
・ウイルス学的抑制が長期に安定して得られている患者での薬剤変更
・Table 6a. Recommended Antiretroviral Regimens for Initial Therapy
・Optimizing Antiretroviral Therapy in the Setting of Virologic Suppression (Last updated:December 18, 2019; last reviewed: December 18, 2019)
まとめ

※1:HIV RNA量>500,000copies/mL、HBV共感染、または逆転写酵素に対するHIV遺伝子型耐性検査またはHBV耐性検査の結果がわかる前にARTを開始する患者を除く
[1)令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金エイズ対策政策研究事業 HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班による「抗HIV治療ガイドライン(2020年3月版)」]
[2)DHHS(米国保健福祉省):「HIVと共に生きる成人及び青少年における抗レトロウイルス薬の使用に関するガイドライン(2019年12月18日版)」]
[3)承認時評価資料:海外臨床試験〔GEMINI-1(204861)及びGEMINI-2(205543)試験の併合解析〕]
[4)Cahn P, et al.: Lancet, 393(10167), 143-155(2019)]
[5)Cahn P, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr 83(3), 310-318(2020)]
[6)添付文書改訂時の評価資料:海外臨床試験(204862)]
[7)van Wyk J, et al.: Clin Infect Dis. 2020. pii: ciz1243. doi: 10.1093/cid/ciz1243.[Epub ahead of print]]
PM-JP-DLL-WCNT-200005 作成年月2020年11月